Definitions / Runtime Security
Runtime Security

Detection & Control

実行中のシステムを、
検知し、制御する

Runtime Securityは、プロセッサが命令を実行しメモリにデータが展開されている状態において、 攻撃・異常・不正をリアルタイムに検知し、システムの制御性を維持する技術体系です。

Detection & Control
Definition

Runtime Securityとは

Runtime Security とは、プロセッサが命令セットを実行し、メモリにデータが展開されている状態(ランタイム)において、 攻撃・異常・不正をリアルタイムに検知し、システムの制御性を維持する技術体系です。

静的なコード解析やビルド時のスキャンとは異なり、 「実際に動いているシステム」を対象とする点が特徴です。

Runtime Security = 実行環境における検知と制御
Detection & Control at Runtime

Runtime Securityの役割

  • 実行中のプロセスの異常検知
  • メモリ上の不正アクセス検出
  • ネットワーク通信の監視と制御
  • システムコールの異常パターン検出
  • コンテナ・VM内の振る舞い分析
Design Principles

3つの設計原則

01

検知駆動型アプローチ

Detection-Driven Approach

検知をセキュリティ施策の起点とする。検知漏れの存在を認識し、Runtime Immunityとの協調を設計する。

02

制御・制限による動的対応

Dynamic Control and Constraint

検知後、システム全体の稼働を停止させずに対応。プロセス隔離、通信遮断等の段階的制御。

03

リアルタイム対応性

Real-Time Responsiveness

検知から対応までの時間を最小化。応答速度が被害規模を決定する。

Technology Landscape

既存のセキュリティ技術との関係

Runtime Securityは新しい概念ではありません。 既存のセキュリティ技術の多くが、Runtime Securityの範囲に含まれます。 重要なのは、これらを統合的に理解し、その限界を認識することです。

技術 対象 検知手法 Runtime Security との関係
プロセスメモリ監視 メモリ eBPF、kprobes等によるメモリアクセス監視 カーネル層実装
RASP アプリケーション層 アプリ内部からの振る舞い監視 アプリ層実装
EDR エンドポイント プロセス・ファイル・通信の監視 エンドポイント層実装
CWPP クラウドワークロード VM・コンテナの振る舞い監視 クラウド層実装
NDR ネットワーク トラフィック分析 関連技術 *
SIEM ログ・イベント 相関分析・アラート 関連技術 *

* NDR・SIEMはRuntime Securityの直接的な実装形態ではなく、検知・分析を支援する関連技術として位置づけられます。

Runtime Securityは、これらの技術を包括する上位概念です。
RASP、EDR、CWPP、NDRはすべて「実行中のシステムを検知・制御する」という Runtime Securityの目的を、それぞれ異なるレイヤーで実現しています。

Limitations

検知は必要だが、十分ではない

Runtime Securityの技術は成熟しています。 しかし、検知ベースのアプローチには構造的な限界があります。

01

検知の遅延

Detection Latency

攻撃の発生から検知まで、常にタイムラグが存在します。

IBM Cost of a Data Breach Report 2025

241

平均侵害ライフサイクル

この間、攻撃者はシステム内部で自由に活動できます。

02

検知の失敗

Detection Failure

すべての攻撃を検知することは不可能です。

  • シグネチャベースの検知は未知の攻撃(0-day)に対応できない
  • 振る舞いベースの検知にも偽陰性(False Negative)は避けられない
03

検知後の限界

Post-Detection Gap

攻撃を検知しても、すでに取得されたデータは取り戻せません。

  • メモリダンプによる秘密鍵の抽出は、検知される前に完了する
  • 検知は「事後通知」であり、「被害の防止」ではない

Runtime Securityは「攻撃に気づく」ための技術です。
しかし「気づく」ことと「被害を防ぐ」ことは、同じではありません。

この構造的なギャップを埋めるのが、Runtime Immunity です。

Our Approach

Runtime Stabilityにおける検知と制御

Superasystemは、Runtime Securityを否定しません。 検知と制御は、セキュリティの基盤として不可欠です。

しかし、Runtime Securityだけに依存するアーキテクチャは脆弱です。 検知に失敗した瞬間、すべての防御が無効化されるからです。

Runtime Stabilityフレームワークでは、Runtime Securityを検知・制御層として位置づけ、 その上にRuntime Immunity(構造的無価値化)を重ねることで、 検知の成否に依存しないセキュリティアーキテクチャを実現します。

Runtime Stability

統合フレームワーク

S R A C Cf D Ix
Runtime Immunity

成果の無価値化 — Outcome Nullification

Runtime Security

検知と制御 — Detection & Control

Technical Definition

技術的定義

Runtime Security は、プロセッサが命令セットを実行し、メモリにデータが展開されている状態(ランタイム)において、 攻撃・異常・不正をリアルタイムに検知し、システムの制御性を維持するサイバーセキュリティ技術体系である。

RASP(Runtime Application Self-Protection)、EDR(Endpoint Detection & Response)、 CWPP(Cloud Workload Protection Platform)などの既存技術は、 Runtime Securityの各レイヤーにおける実装と位置づけられる。

Runtime Stabilityフレームワークにおいては検知・制御層に位置し、 Runtime Immunity(構造的無価値化)と組み合わせることで、 検知の成否に依存しないセキュリティアーキテクチャを構成する。

Related: RASP EDR CWPP NDR SIEM XDR

Security Level(SL)評価

Runtime Securityの達成度は、Security Level(SL-0〜SL-3)により評価される。 Recall(検知率)、Precision(適合率)、Response Latency(応答速度)の3軸で評価し、 実装品質の全体像を把握する。

Related Definitions

Runtime Stabilityを構成する他の概念